鎮静剤を知ろう!怖くない!

こんにちは うちの子動物病院です

今回は鎮静剤のお話です。

【鎮静剤(ちんせいざい)とは?】

鎮静剤とは「苦痛や不快感の緩和を目的とし、患者の意識を低下させる薬物」のことです。皆さん、一度どころか何度も聞いたことがある言葉ではないでしょうか?内視鏡検査を受ける時の同意書に、「鎮静剤を使用するか?しないか?」の項目がありますよね。そう、あれのことです。実は動物病院でも鎮静剤をよく使用します。今回はこの「鎮静剤」についてのお話です。

【主な使用例】

(1)検査

大人しくするのが苦手なペットに使用します。特に超音波検査やレントゲン検査等は、ペットが動くと、正しい診断ができません。また、仰向けにされると、ペットも怖いことでしょう。恐怖心を軽減する効果もあります。

(2)軽度の痛みを伴う処置

痛みを嫌うのはペットも同じです。無理矢理抑え込んでの処置は虐待と同じだと思います。主な処置として、怪我をしたときの消毒、小さなイボ切除等が挙げられます。

(3)大型犬や暴れるペット

通常なら鎮静剤が不要な検査や処置であっても、スタッフに危険が及ぶ可能性が高い時に使用します。

【安全性】

どんなお薬も100%安全なものはありません。多少なりともリスクを伴います。健康なペットが全身麻酔で不妊手術を受けた時の死亡頻度が、犬で2000匹に1匹、猫で1000匹に1匹と言われていますので、鎮静の死亡頻度は更に低いと思われます。老齢のペットや持病のあるペットに対しては、使用する薬の種類を変更したり、量を減らしたりします。検査や処置が終われば、使用した鎮静剤にもよりますが、覚醒させる注射ですぐに覚醒させることができますが、帰宅後もしばらくは鎮静効果が続くこともあります。具体的なリスクとしては、嘔吐、注射部位の炎症、呼吸抑制、心肺停止等があげられますが、心肺停止は非常に稀です。

【まとめ】

ペットに鎮静剤と聞くと、抵抗を示す飼い主さんも多いでしょう。しかし、場合によっては、鎮静剤を使用した方が苦痛や不快感を最小限にし、安全で丁寧な検査・処置を行うことができるようになります。ペットにも動物病院スタッフにもメリットがあります。

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