ペットの輸血のお話

こんにちは。 うちの子動物病院です 😀 

今回は、ペットの輸血のお話になります。

【多くの命を救う“供血猫”と“供血犬”】

 命に関わるような大量出血をした場合、猫や犬も人間と同じように輸血が必要になります。人間だと輸血が必要になった場合は、全国各地に日本赤十字社の血液センターから血液を取り寄せることが出来ますが、日本には動物専用の血液センターがありません。こうしたときに活躍してくれるのが、動物病院で飼われている供血猫や供血犬です。えっ!猫や犬にも輸血ってあるの?と驚いた方もいるでしょう。大きな使命を果たしてくれる供血猫や供血犬の存在や役割を詳しく知っている方はまだまだ少ないのが現状です。そこで今回は、供血猫や供血犬について説明します。

 

【供血猫や供血犬の条件】

 ここでは詳しくは述べませんが、年齢、体重、健康状態等、様々な条件を満たす必要があります。犬では、若い大型犬が活躍していることがほとんどです。ワクチン等の各種予防、日々の健康チェックもしっかり行っています。

 

【日常生活】

供血をする動物と聞くと、「かわいそう」と思う方もいるでしょう。狭いケージに入れられっぱなしじゃないのか?不潔な飼育環境じゃないのか?と思うかもしれません。ご安心下さい。普段は皆さんのペットと同じくらいに愛情深く育てられています。供血をするために飼われているからといって、必ずしも辛い思いや悲しい思いばかりをしているわけではないといえるでしょう。当院の供血猫達も、普段は広い部屋で自由に仲良く暮らしています。

 

【今後の展望】

 海外に目を向けると、スウェーデンでは、「犬の血液バンク」のネットワークが広がっています。また、アメリカでは、大学の動物病院が主体となって寄付を集め、ボランティアの支援も得ながら「献血用バス」を循環させているそうです。日本でも緊急時に輸血用の血液が安定して供給できる体制の構築が望まれます。また、現在、人口血液の開発が進んでおり、近い将来、実用化されると思われます。

 

【最後に一言】

 輸血で救える命は沢山あります。実際、当院の供血猫、供血犬も、今までに何頭もの命を救ってきました。皆さんのペットもいつかお世話になる日が来るかもしれません。彼らの存在意義を少しでも理解して頂ければ幸いです。

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